2023.01.01

明けましておめでとうございます

2023年一般絵画教室の新春のモチーフです!!
1/4(水)の10時から開校いたします。
宜しくお願いいたします。
2022.12.28

不思議なご縁

清野融と伊與田喜代美さんの二人展が開催中です。
伊與田喜代美さんは水墨画家ですが、今回の展示は長田進治様原作の「ロアンとへら鹿のアル」の挿絵(切り絵)を描いており、その絵本原画の展示となります。

伊與田さんとは美術館館長からの紹介で知り合いました。
初顔合わせで話をしていると、なんと娘さんはアトリエヴィーナスに通っていたとのこと!
今は某御菓子メーカーのチーフデザイナーをしているそうで、イギリスで開催された国際コンペでBronze賞を頂いたそうな。
教え子が大活躍しているとやはり嬉しい!!
そんな娘さんのお母様もやはり素晴らしい!!
とても繊細な表現と大胆な構図の切り絵は魅力的です☆
ぜひ原画を観に美術館へ足をお運びください。

●大山現代の美術館
開催期間は2023年3月26日迄。入場無料。

宿坊だった古民家を改装した趣のある建物と空間です。
1階は創作豆腐料理の夢心亭、2階が美術館になっています。

http://www.mushintei.com
2022.12.07

2022-23冬期講習会

早いものですね。冬期講習会のご案内の時期になりました。
東京藝術大学、多摩美術大学、武蔵野美術大学、東京造形大学、女子美術大学など志望校の傾向を意識したカリキュラムをご用意いたします。
特に入試の近い生徒は、志望校に向けて頑張りましょう!!
もちろん、初心者向きの課題も充実。
多くのご参加をお待ちしております!!
2022.12.01

武蔵野美術大学で特別講義を開いてきました。

絵画技法講師の吉川 聡です。
11/10(木)に絵画組成室で特別講義を開いてきました。

コロナ禍だったので学校関係の特別講義は、3年ぶりです。
最初は3時間予定だったのですが、5時間半かかり2.5時間オーバー。本当にごめんなさい!!
伝統的な手作業を体験してもらおうと思いましたが、体力勝負なので学生の方にはちょっと厳しかったかもしれません。
でも、まじめで優しいムサビ生と教務補助様のお陰で、何とか終えることが出来ました。ありがとうございます。

終盤ではかなり上手くなっていました。最初、なかなか割れなかった石を最後の方ではガンガン割るし。若いってすごい!!
これから何校か回ります。宜しくお願いいたします。
2022.11.30

完全個別カリキュラムの講習会

街中は早くもクリスマスムード。
そして正月飾りだって店頭に並んでいます。
この楽しそうな雰囲気は、
「ふざけんな!まだ1か月あるんじゃい!」
時間が欲しい受験生の声が聞こえてきそうです。

そんな受験生へ、1か月後の講習会の案内を致します☆
それは冬期講習会(12/26~1/6)の後から始まる『入試直前講習会』。

「第一志望の対策だけやりたい!」

「受ける大学全ての対策を平均的にやりたい!」

「高校が終わった後の1時間だけでも制作したい!」

「この課題に集中したい!」

といった受験生の希望に沿った「完全個別カリキュラム」になっています。

受験生には受講カレンダー(画像参照)が配布され、各自が高校の登校日や受験日程などに合わせて入試対策の計画を立て、講師が内容確認して出題するといった流れ。

普段は夜間部に通う高校生ですが、高校の自由登校日は朝からアトリエに通って制作。
入試までに残された時間を無駄なく最大限に活用することができる講習会です!

秋までに積み重ねてきた基礎表現に、傾向と対策を重ねて最終仕上げをする最重要な期間であり、更に受験生は入試直前の研ぎ澄まされた感覚の中で制作するので、一気にレベルアップする時期でもあります。

合格をもぎ取ろう! 
頑張れ受験生!
2022.10.25

一般教室 11.12月のモチーフはローマ皇帝

カエサル・プブリウス・セプティミウス・ゲタ・アウグストゥス
噛まずに読むのが大変な名前です。
生きていたのは189年3月7日~211年12月26日。

「小太りだし、なで肩だし、丸顔だし、毬栗頭みたいだし、眉毛繋がっているし…」と、受験生の頃の私には魅力を感じず描く気が湧かない石膏像でした。
今回のモチーフはゲタです。

こんなゲタさん、実は大変な生涯だったのですね。
父親はセウェルス朝の初代君主セプティミウス・セウェルス。
その皇帝である父亡き後、兄のカラカラと共に共同皇帝となったゲタですが、二人の仲はとても悪く、互いを憎み忌み嫌うような関係だったそうです。
それを案じていた母のユリア・ドムナは仲裁のため奔走していましたが、用意した和解の場でゲタ帝はカラカラ帝の手の者に刺殺されてしまったとのこと…
戦乱の時代にはよくあるお話ですが、お母さんの気持ちを考えると、なんとも切ないですね。

更にカラカラ帝は殺害のみならず、ゲタの姿が刻まれた彫像や絵画を徹底的に消し去り(写真③)、ゲタに関わりのあった高官、近衛兵、友人など2万人に近い人々を粛清したといわれています。

残忍の塊のような顔に作られたカラカラ帝(写真②)と、人の良さそうな顔に作られたゲタ帝(写真①)を見比べると、彫刻家は歴史や人なりまでも作っていることに気付かされます。

そんなゲタさん、実際に描いてみると綺麗で優しい曲面で作られた、印象の合わせやすい石膏像ですので、愛情を持って描いてあげてくださいね。

ゲタのオリジナル彫刻は、ルーブル美術館に収蔵されています。


※一般教室では新規加入者が多い為、今月から静物モチーフのセットを増やします☆
2022.09.29

紀元前の大先生

2か月毎に2体づつセットされる一般教室の石膏像ですが、先月のブログで『笛を吹く女』を紹介しました。

今月のブログではもう一方の石膏像を紹介します。

名前はマルクス・トゥッリウス・キケロ(Marcus Tullius Cicero)~ラテン語です。
石膏像での名前は『シセロ』~英語読みですね。

紀元前106年1月3日に生まれ紀元前43年12月7日に死没。
政治家であり、弁護士であり、哲学者であり、文筆家でもあります。

数々の書籍は、後世のヨーロッパの知識人達に絶大な影響を与えていたり、14世紀イタリアではラテン文学における必読の書とされていたり、またフランスではフランス革命へと向かう、啓蒙主義、民主主義、共和制といった流れの中で大きな影響をもたらしていたり…
そして現代であっても高く評価されていることから、数々の書籍に触れることができます。

そんな哲学者で文筆家のキケロさん、沢山の著書の中に沢山の名言があります。

「始まりは、どんなものでも小さい。」

「今日を楽しんだ人は明日が待ち遠しくなる。」

「人間のやることなどほとんどが間違っている。しかし、間違いを間違いのまま放置している人を愚者という。」

「普段から嘘をついている人は何を言っても誰からも信用されなくなる。」

「厳しすぎる規則というものは人間に害しか及ぼさない。」

「思ったことをしゃべっていてはいけない。よく考えてから、物をしゃべるべきだ。」

「自分が知らないことがあることを告白するのは恥じることではない。」

「どれほどたくさんの知識を頭に詰め込んだとしても使わないのなら意味がないどころか重たいだけだ。」
 
「感謝の心は最大の美徳のみならず あらゆる他の美徳の両親なり。」

「命があるかぎり、そこには希望がある。」

「勇気がなければどれほどの知識があろうと賢者にはなれない。」

「最も大切なのは大胆さ 次に必要なのも大胆さ その次に必要なものといえばやはり大胆さだろう。」

「第2の天性は習慣によって作られる。」

「幸福な生活をおくるには心の平和を保つ必要がある。」


なかなか凡人にはあたりまえのことが、あたりまえに出来ないものですよね。
どの言葉も心に刺さります。


因みに写真左の石膏像シセロはフランスの図書館(パリ・マザラン図書館収蔵)に原型の彫刻が収蔵されています。
さすが大先生、いろんなタイプの彫刻になっていますね。
2022.09.15

LED蛍光灯

事務員をやっていると備品のメンテナンスが気になります。
特に蛍光灯の生産中止が気になります。

蛍光灯の生産が中止になると、
今の照明器具では駄目だと...国から補助金が出るので、全て交換しましょうと...日々営業の電話がかかってきます。
でもこれは水銀量の問題で、生産がストップするわけではないと書いてあるサイトもあるし...。

で、照明器具を変えずに済むLEDを試してみました!!!!
答えは全然大丈夫。三ヶ月経ちます。

今は、強気に断っています。
2022.08.30

一般教室・9月10月のモチーフ

9月は2カ月に1回のモチーフの組み換え月。
石膏像2種、静物2種が新しくなります。

冒頭の写真は、ローマ国立博物館・アルテンプス宮に収蔵されている、紀元前460年頃に制作された石彫。
名前は『ルドヴィーシの玉座』。

コの字の形をしたこの石彫は、ローマのルドヴィーシ家の領地で発掘されたことから、
”ルドヴィーシの玉座”と呼ばれています。
しかしこの玉座、紀元前480年頃に再建されたアフロディーテ神殿の礎石部分に一致するような痕跡が見つかったり、この神殿に奉納されたテラコッタの飾り板などの様式と共通する部分が多いことから、現時点では玉座ではなく、祭壇の装飾のためのものとする説、地面に掘られた儀式用の穴を囲う柵や欄干のようなものとする説、石棺とする説、などいろいろと考えられているようです。

そしてこれらレリーフ彫刻は、女神の出産の場面を表しているとする説や、女神の沐浴の儀式とする説、ペルセフォネの地上への回帰の場面とする説などいろいろと考えられているようで…

制作された紀元前460年といえば日本だと縄文と弥生の境界あたりの大昔。
その時代の人間が、何の為に何の目的で作ったのか、思いを馳せるだけでわくわくします。
熱意を持って作ったものは時代を超えてもなお美しいですね。

今回の一般教室のモチーフになるのは、左側面のレリーフ彫刻。
名前は「笛を吹く女」。
ちなみに背面にあたる部分は「アフロディテの誕生(ヴィーナス誕生)」、右側面は「香を焚く女」の名前が付いています。

今月もまた、楽しんで絵を描いてください。


レリーフ彫刻における、均等な厚みの中で奥行を伝える立体表現は、絵の具の厚みの対比で空間を感じさせる絵画表現と類似しています。
レリーフの理解は油彩や着彩のヒントになるでしょう。
2022.07.21

一般教室・7月8月のモチーフ

今年の夏はいろいろな所でお祭りや花火大会が開催されるようです。
2年以上も季節の行事が中止されていると、はるか昔のことを懐かしんでしまうような感覚になってしまいます。

夜店の屋台で焼きそば、たこ焼き、ラムネやビール、金魚すくい…楽しそうだなぁ~。

そんな気持ちが現れてしまった7・8月の静物モチーフです(写真)。
石膏像は涼し気に微笑むパジャントと少し暑苦しいお髭のヘラクレス。

暑い日々はこれからまだまだ続きますが、少しでも涼を感じながら絵を描いてください。

一般教室のモチーフの部屋は、2カ月毎にモチーフが組み替えられます。
次の組み換えは9月☆