2025.09.30

高等学校 美術科入試対策

高等学校から、美術を専攻される方は結構いらっしゃいます。
神奈川県では、課題的に基礎が優先されるようです。
注意点ですが、実技得点の割合が美大に比べて低いため、勉強の成績で入試校を判断すると良いようです。
頑張ってくださいね!

基本の構図の注意。大きくても小さくても違和感があります。モチーフの範囲がおおよそ画面の6割位がおススメ。
2025.09.27

今月の石膏像

美術の世界にいる私たちにとって石膏像は基礎学習時に一緒に過ごしていたことから、その人物達に何となく親近感を持っていたりします。
何世紀ものあいだ語り継がれている歴史上の偉大な人物なのにも関わらずです。

10年前位に流行したアニメ『石膏ボーイズ』や、未だに根強く人気のある(?)『ガチャガチャのミニチュア石膏像』などの存在からしてもこの感覚を共有できる人たちが多くいるのではないでしょうか。

今回紹介する御方は『アグリッパ』。
正式にはマルクス・ウィスパニウス・アグリゥパ(紀元前63年 - 紀元前12年)
この個性的でたくましい骨太顔は印象深いですね。
そしてやっぱりこの人も偉大な人物。
一世紀に亘る内乱状態の古代ローマを、ローマ帝国の初代皇帝となるアウグストゥスと共に帝政を樹立させて平和をもたらせた人物なのでした。

アウグストゥスは若い頃から頭脳明晰ながら病弱で軍略に弱く、対してアグリッパは若い頃にガイウス・ユリウス・カエサル(シーザー)から軍才を見出された屈強な軍人で、同年代のアウグストゥスとアグリッパは互いに補い合う名コンビだったわけです。
また現在ローマに残っているパンテオンを建造したり、南仏のポン・デュ・ガール(水道橋)、南仏ニームのメゾン・カレーなども建造しています。

皇帝アウグストゥスは自身の病弱さを憂い、自分の後継の皇帝としてアグリッパを立てたのち、アグリッパの子に帝位を継承させようとしていたのですが、アウグストゥスよりも屈強だったはずのアグリッパやまたその子たちが先に逝去してしまったそう…。
もし仮にアグリッパが皇帝になっていたら石膏像(彫刻)はもっと立派で派手なつくりになっていたのかもしれません☆

アグリッパ像は10月まで一般絵画教室でモチーフになっています。
生い立ちを知ると興味がそそられて描く気持ちも変化してきますね!
2025.08.29

9/25(木)に無料体験入学を開催いたします。

△全く初めての方でも事前の連絡やお申込みはいりません。当日は、直接会場へお越しください。
△個別無料体験入学もございます。日程をご指定頂き、PM5-PM8に体験できます。
2025.08.19

ドラマ『グラスハート』

過去に漫画化もされている若木美生の名作小説「グラスハート」が、このたびNetflixで実写ドラマとして作成公開されました。
佐藤健、菅田将暉、志尊淳、宮崎優、町田啓太など豪華な俳優陣で撮影された、バンド活動に生きる青春音楽ストーリーです。

このドラマにアトリエヴィーナスで講師をしている清野融の作品(画像の4点)が使われています。
4連の絵画作品は、劇中の菅田将暉の部屋に飾られており、そして現在は大山現代の美術館で常設展示中!
興味のある方は、Netflixグラスハートまたは大山現代の美術館でご覧になって下さい♪
2025.08.10

第32回アトリエ ヴィーナス展

一般絵画教室の成果展です。
・日時 2025年9月17日(水)~9月22日(月) AM11:00~PM6:00(最終日はPM3:00)
・場所 みなとみらいギャラリー
宜しくお願いいたします!!
2025.07.30

お盆休講のお知らせ

2025年8月6日(水)~8月15日(金)は休講いたします。宜しくお願いいたします。
2025.07.14

お知らせ

今年の夏も暑そうですね…
今や夏はエアコン無しでは過ごせません。
でも
電気不足の懸念、
電気料金の高騰、
地球の温暖化など、
様々な観点での問題が…
そこで登場する救世主は、究極の省エネ うちわ☆
冷房の設定温度を下げすぎないで涼む為のアイテムにどうぞ。


『うちわ展』のご案内。
様々なアート活動をしている出品者達が、緩く楽しくうちわを作って展示しています。
アトリエヴィーナス講師の清野融も出品しています。
夏祭りのようなうちわ展を、ぜひ御高覧ください。

清野融のうちわは、毎年好評の黄道12星座シリーズ。
表面は、星座の季節の昼間に咲き開く花のデザイン。
裏面は、昼間の空にかざすと見える夜に輝く星座のデザインです!

展示販売の企画展のため、早めに来ないと見られないかも。
以下の2箇所、それぞれの期間で行っています。


■7月24日(木)~29日(火)
 12:00~18:00(最終日16:00まで)
 銀座ギャラリーG2 
 中央区銀座1-9-8奥野ビル1階

■7月31日(木)~8月5日(火)
 10:00~18:00(最終日16:00まで)
 ART SPACE SOW草
 川崎市幸区下平間144-51 2階
2025.06.30

■2025年夏期講習会■

期間
前期2025.7.27→2025.8.5
後期2025.8.16→2025.8.25

■実力を伸ばせる限り伸ばす授業!!■
普段、なかなか集中した時間が作れない受験生も、夏休みはたっぷりと制作時間が取れるのではないでしょうか。アトリエ ヴィーナスの夏期講習会では、短期集中型のカリキュラムを用意して、実力を伸ばせる限り伸ばす授業を行います。終わるころには以前とは違う自分と出会えると思います。楽しみにしていてください!!
2025.06.14

偽物の顔

現在一般教室にセットされている石膏像を紹介します。

ラボルト(写真A)
正式名は『パルテノン首像』
制作年は紀元前438~433年頃。
ギリシャのパルテノン神殿(写真B)の破風彫刻(写真C)の一部でした。
現在はパリのルーブル美術館に収蔵されています。

ギリシャと言えば白い遺跡のイメージが強いですが、『パルテノン首像』は「金属製の冠」を頭に乗せ、「金属製の装飾」を耳に取り付けていたと言われ、パルテノン神殿西側の破風彫刻の右側に中央へ向けて設置されていた彫刻だっとことがわかっております。
繁栄していたその時代、パルテノン神殿や様々な彫刻作品は煌びやかに着色されてかなり華やいでいたそうです。

また『パルテノン首像』は長いあいだ「ポセイドンの妻のアンピトリテ」とされていましたが、現在は「虹の神イリス」と断定され、
そして驚きなのは、鼻/アゴ/唇は後世の修復によるものだったこと!

オリジナルの顔ではなかった!

そこで思い出したのは、私が美大を目指して予備校に通い始めて初めて描いたデッサン。
ラボルトの右の横顔でした。
人間離れした縦横比の頭部は、後頭部からアゴ先に向かってしゃくれたような印象で、やたらと目立つ鼻とアゴ。顔の中心からずれて付いているような唇のこの像からは、全く美しさなんて感じられず、画面と格闘したようなデッサンになってしまったことを、「原因はそれね」とラボルトのせいにしてしまうのと同時に、高い所にある破風の、ほぼ左半面しか見えない状態で設置される彫刻が、右半面をしゃくれさせることで左半面を伸びやかな美しさとして魅せ、頭を奥に長くデフォルメして遠くからでも目立つように作られたのであろうなど、立体造形作家になっている今では理解できます。

現在パルテノン首像(ラボルト)は発見当時に戻され、鼻/アゴ/唇の無い状態でルーブル美術館で展示されています。(写真D)

ところで『ラボルト』の石膏像名ですが、19世紀にレオン・ド・ラボルト伯爵がこの頭部をパルテノン神殿に帰属するものと分析したことから、ラボルトの頭部と呼ばれるようになったそうなのですが、他の石膏像「マルス」や「ヘルメス」のように「イリス」で良いのでは?
もしくは原型と違う物なので「付けっ鼻のイリス」でもいいかな☆

一般教室のモチーフセット部屋では、石膏像と静物がそれぞれ2種セットされています。
2カ月毎に組み替えられるこれらのモチーフを、好きな時間に好きな画材で好きな分だけで描くことができます。
2025.06.01

卒業生が天然顔料の製造を手伝ってくれました。

絵画技法講師の吉川 聡です。

私は長年、天然顔料を製造して世界の絵具メーカーや日本画材店、研究機関、化粧品メーカーに卸してきました。
しかし、一般的な定年の年齢を過ぎ、体力的に限界。現在、職人は一人いるのですが、それだけでは足りない状況...信頼できる若い力が....。

なんと今年は、ありがたいことに5月から卒業生が2名名乗りを上げてくれました。
一人は、修復家を目指しているので、これ以上ないピッタリのアルバイト!!
ゆっくりしっかりと教えていく予定。

将来的に画家だけでなく、修復家も視野に入れている方はアトリエを訪れて下さい。