2021.08.25

来月の一般教室は『農耕の神』がモチーフ☆

2ケ月毎に組み替えられる一般教室のモチーフ4種は9月から新しくなります。
そのうちの1つは農耕の神である石膏像。

それは写真の『マルス』です。

写真①はアトリエの石膏像
写真②はルーブル美術館にある本物。

そこで『マルス』を少しだけ紹介したいと思います。

名称 ボルゲーゼのアレス
   ギリシア神話では「アレス」、ローマ神話では「マールス」、英語読みでは「マーズ」、日本では「マルス」。
原作 紀元前430年ころ(ローマ時代)
材質 大理石
高さ 212cm
出土 ローマ
所蔵 ルーブル美術館
父親 ゼウス
母親 ヘラ
双子の妹 エリス(闘争と不和の女神)


一般的には軍神として知られているマールス。
3月の神ともいわれています。
なぜ3月の神かというと、戦争の多かったローマ時代に軍隊を動かすには良い気候だったからとか。
そしてこの時期は農耕の始まる季節でもあったことから農耕民族のローマ人はマールスを農耕神(草木の精霊)として祭っていたようです。
元はといえばギリシャ神話からなのですが、他にはインド・ヨーロッパの神話学からマールスは三機能イデオロギーの第二機能(戦闘)を担っていたと考えられていることから軍神として理解されるようになった説があったり、
エトルリア人に崇拝された神マリスを原型としているともいわれていたり。
またマールスは天体の火星とも同一視されていて、スペイン語では火曜日を「martes」と呼び、「軍神マルスの日」を意味する語とのこと。
さらに男性の性別記号「♂」の本来はマールスを意味する記号だとのこと。

いやいや…なんだか凄いねマールス君。

でもこのマールスの彫刻、軍神でありながらも静かで憂いのある表情。呆然としているような、疲れているような…
戦いだらけのローマ時代に戦いの象徴として勇ましいだけの姿で作らなかったところに古代の彫刻家へ思いを馳せます。


全身像の美しさや彫刻家の表現性など、思い入れを持ってかっこいいデッサンに仕上げてください。